君よ知るや南の国。
この言葉を漠然と聞いていて、バリ島とかミクロネシアの南の島々への憧れを歌ったものだと思っていた。
原詩がゲーテの小説から取られたもので、フランス歌劇「ミニョン Mignon」の中のアリアで
さらわれて旅芸人の一座に売られた主人公のミニョンが故郷のイタリアを想い唄っていると知ったのは
恥ずかしながらつい最近のことだった。
ここで言う南の国は「イタリア」のことであったか!
イタリアは40年近く前に一度訪れているが、ポンペイがやたら暑くて死にそうだった、とか
ナポリがゴミだらけで汚かったとか、カタコンベが蒸し暑くて閉所恐怖症の身には堪えたとか
ローマの夜は危険だから一人で出歩くな!とかどうもマイナーな思い出しかないので
「南の国」と聞いてイタリアは浮かんでこなかった。
君よ知るや 南の国
木々は実り 花は咲ける
風はのどけく 鳥はうたい
時をわかず 胡蝶舞い舞う
光みちて 恩寵(めぐみ)あふれ
春は尽きず 空は青き!
ああ 恋しき国へ
逃(のが)れかえる よすがもなし!
わが なつかしの故郷
望みみてる国
心あこがるる
わが故郷!
堀内啓三 訳
そろそろイタリアへ行ってみるのも悪くないかな?などと考える。
ただ有名観光地の一人歩きはアブナイので、田舎村がいいかもしれないな。
でもねぇ、そういうところは散々TVなどで紹介されているから、良さそうだけど、なんとなくつまらない。
イタリアに二の足を踏んでいるのは、実はそういうことがあるからで、
これほどいろんなメディアで紹介されているところにわざわざ足を運ぶことも無いだろうと思う。
「君の知らない北の国」あたりを探して出かける方が性にあっているかもしれない^^
今日の一枚は、
ジュリアード弦楽四重奏団でドヴォルザークの「アメリカ」。
ドヴォルザークという人の音楽は、民族性の高いその旋律に共感を覚えるためか映像喚起力がすごい。
例えば交響曲「新世界より」から、あの有名なキャンプファイアーの定番曲「遠き山に日は落ちて」のテーマなどがそれだ。
なにやら雄大な原野の風景が目の前に浮かんでくるようであり、この弦楽四重奏曲「アメリカ」も一度聴いたら
忘れられない、フレーズがここかしこに出てきて、初めて聞いてもとても懐かしい感じがする。
ジュリアード、1967年の録音である。
LEICA M Monochrom : ①APO SUMMICRON 50mm F2 ②SUPER ELMAR 21mm F3.4 ③ELMARIT-M 28mm F2.8