地上は凪。
風も感じない、
百メートルも上がるとわずかな風がある。
遠くでは地上にも反対向きの風が吹いているらしい。
熱気球は、そんなわずかな風の流れを探して空を漂うのだろう。
羽ばたくことの出来る鳥は上昇気流を掴んでどこまでも空の果てを目指して舞い上がる。
今この瞬間、鳥になったらどんな景色を見ることができるのだろうか?
霜に覆われた広大な平野や、雪をかぶった遠くの山々、まだ冷たい春の朝の風景がそこにある。
画像クリックで拡大できます SONY RX1RII
朝の光の中で、たくさんの水滴が輝いている。
気温が上がればやがてこれも蒸発して目には見えないものになってしまう。
いまのうち。
美しく深い赤。
この時間、花は一番輝いていた。
時が過ぎればやがて色も褪せ、周囲の緑に溶け込んでしまう。
いまのうちに撮っておかねば。
SIGMA sdQuattro H & 35mm F1.4
今夜の一枚は
Ave Verum Corpus :御身を讃えよ。
モーツアルトの最晩年の傑作、彼の作曲したものの中でも最高に美しい旋律と言われています。
たった46小節、3分ほどの曲ですが荘厳な合唱、空間の隅々まで満ちていくような演奏は心に沁みてきます。
キリスト教徒でなくとも人々を敬虔な気持ちにさせてくれるのです。
合掌。