小学生の高学年の頃、初めて仲間と一緒にこの海に来た。
この道をひたすらまっすぐ行くと海に出るよ、と教えられて、
時々バスやトラックが埃を巻き上げて通り過ぎていく道を真っ白になりながら自転車で海へ向かった。
その頃は海水浴というのは当たり前のことだったから、浜は芋の子を洗うよう状態だった。
真夏の熱い風、喧噪、波の音、アイスキャンディーの声。
子供の頃からここは「僕たちの海」だった。
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その浜も少しずつ変化してきた。
隣接する場所に漁港を建設し始めてから、急激に様変わりしてきた。
突堤が突き出して潮が変わった。
サーフィンが出来るような波が来なくなった。
そして海に人が来なくなった。
ある日、浜茶屋から海を眺めて驚いた。
同じ高さにまで膨大な量の砂が盛られ、ユンボが忙しそうに動いていた。
建設中の漁港は常に浚渫していないと流入した砂で港湾が埋まってしまうから
掘り出した砂をこの浜に持ってきててんこ盛り。
もうここからは渚が見えなくなってしまった。
「僕たちの海」はこれからどうなっていくのだろう?
LEICA M : SUMMILUX-M 24mm F1.4 ASPH.