なんとか散り際に間に合った千鳥ヶ淵の桜。
お堀の土手一面に大きく枝を広げていた。
これで今年の東京の桜も見納め、幕を下ろす。
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幕を下ろす、と言えば、20年近く我が家で素晴らしい音色で楽しませてくれたスピーカーが
とうとうお嫁に出ることになりました。
Lansing sound systemのIconicという大昔のモニタースピーカーで
映画会社のMGMのスタジオモニターとして使われていた由緒ある一品で
箱も当時のまま、まったくのオリジナル状態でペアで現存しているのは世界にいったいいくつあるか?
というくらい希少なものなのです。これが世の中に出たのは1937年のこと。当時はモノラルの時代でしたから
スピーカーは一本あれば事足りたのです。作ったのはかの有名なJBLことジェイムズ・バロー・ランシング。
ランシングの作った会社は1942年にALTECという会社に吸収されランシングは副社長に収まり、優秀なこのスピーカーは吸収後も数年作られ続けました。
家にある片方は「Lansing」もう片方は「ALTEC Lansing」というプレートが貼られています。
早い話が、作られた年代が違うもので、左右のスピーカーの能率も若干違うのですが、そんなことはどうでもよくて、
現代のスピーカーのように1cmずらすと音がどうこう、とかいうシビアなものでもなく、上等の真空管アンプと
カートリッジ、ターンテーブルさえ用意してやれば、ポンと置いてそのままで最高のジャズが聴けたのであります。
それもそのはずで、MGMの試写室で数十人の人間を相手にトーキーの音を聞かせるのにリスニングポイントなど
細かいことは言ってられない、その場にいる人間全部に同じようにいい音を聞かせるためのスピーカーで、
電磁石を使って駆動する今ではみられなくなったタイプのものなのです。
ただ自分が年をとって、聴く音楽が次第にクラシックに傾いてくるとこのスピーカーではちょいと苦しくなってきました。
音が明るすぎて、ある種の渋みや暗さが足りないので、明るく鳴ってもらうと困る音楽が増えてきた昨今、
とうとう意を決して渋みのある音を出せるものと今週末交代することになったのです。
それもまた古いスピーカーではあります。
今は聴き納め、片づけをしながらIconicを聴きまくっているのでした^^
Nikon Df : Nikkor 28-300mm