ベルゲン駅で Bergen station #FZ 1000
海外の都市へ行くと必ずその街の駅に顔を出します。
そのたたずまい、旅行者の姿、送るもの、送られるもの、いつも変らぬその国の姿が見えてくるからです。

鉄道写真屋さんではないので、電車そのものを撮ることは滅多にないですが、
流れている人々を眺めるだけで、なんとなくロマンチックな雰囲気になってきます。

出発の5分前になって、あわてて電話をかけている人。
きっと一緒に行く人がまだ駅に来ていないのでしょう。
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画像クリックで拡大できます
FZ1000をハイコントラストモノクロームに設定して構内を撮影します。
こういった処理はOLYMPUSの方に一日の長があるような気がしますが、
それでもファインダーが有機ELで236万ドット、実に自然にモノクロになってくれますので
いままで光学式ファインダーに慣れている自分が何の違和感も持たずのぞいているのに気がついてビックリしてます。
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このまま自分も行き先も決めず、切符も買わずにフラフラとこの電車に乗ってしまいそうで
フト、怖くなった一瞬。今日はまだこちらで予定が詰まってるんだぞ!って言い聞かせてとどまりました。
雨の中、この後はあまり収穫が無かったことを考えると出かけてしまったほうが良かったかな?

今日の一枚は、
リヒテル(p)で、バッハの平均律第1集(3枚組)。
1970年、ザルツブルグのクレストハイム宮殿での録音。
針を下ろして第一音が出た瞬間に 「何だ、これは!?」

石造りの宮殿で録音されたが故に、残響過多、音は滲み、タッチもわからないのです。
茫洋とした、まるで深い霧の彼方から聞こえてくるような演奏なのです。
ロシアのメロディアが原盤で、各国でプレスされた名演奏だというが、自分の持っているのは
東ドイツのETERNA盤でこれは録音ミスじゃないのか???と思って焦りまくり。

ところが後にメロディアの原盤を聴いてみてもたいしてかわらない。
これは自分の聴き方が悪いに違いない。オーディオ装置が変ってから何度となくターンテーブルに乗せました。

そして、ある日突然気がつきました。
さざなみのように寄せては繰り返すリヒテルの演奏、フーガの音の重なり、残響で後を引くピアノの音が
それに重なり、何かとてつもない、まるで宇宙空間に放り出されたような世界でバッハが鳴り響いてきたのです。
リヒテルが何故このような条件で録音を進めたのか、次第にわかってくるのでした。

グールドを初めとする一音一音のタッチを明確にしたクリアーな録音が主流となったバッハの演奏に
真っ向から勝負をするリヒテルの挑戦ともいえる、この一枚、聴き込むにつれて背筋がゾクゾクとすることがあります。
宇宙の深淵を覗き込んでしまったような一種の恐怖感を覚えるのかもしれませんね。

BERGEN。

LUMIX FZ 1000(25-400mm)
by nontan91 | 2015-01-27 22:22 | FZ1000 | Comments(14)
Commented by nori at 2015-01-28 09:33 x
のんたんさん

おはようございます。
先日からベルゲンを楽しませてもらっておりますが、もうこのエントリーには書かすにおれません。
ハイコントラストモノクロームに設定とテキストに書かれておりますように、深いコントラストが心地よく電話の彼女の表情がなんとも切なくも愛らしく目に染み込んできます。
もしかすると後ろの駅員さんと電話していたりして^^
無情にも発射時刻が来てドアを閉める車掌さんの後ろ姿が郷愁を誘います。
その右手、金属車両のテカり具合がまたニクいです。
これは是非ともプリントで拝見できる機会をおつくりください。
Commented by yarey at 2015-01-28 14:47
のんたんさん(^○^)こんにちは。
被写体との距離感が最高ですね。
引き込まれます。
一枚でストーリーを感じますよね。
僕の課題ですね^^;

そうだ。遅くなりましたが、リンク頂きました(^○^)
Commented by k7003 at 2015-01-28 17:05
通過駅とターミナルと、それぞれに情趣たっぷりで。(^^)/
Commented by swingphoto at 2015-01-28 18:37
いやあ、中々いい描写すね。
そして、ピタッとナイスな瞬間を捕らえてらっしゃいますね。
1枚目、前回の1枚にも通じますが、
携帯をかけてる彼女と
ボケの中の車掌の姿が印象的です。

リヒテルのは有名な演奏ですね。
ロマンチックなバッハの代表でしょうか?
グールドや現代の演奏の前では
本来は、妙な演奏なのかもしれませんが
これはこれで名盤ですね。
現代は時代考証や当時の楽器の再現が盛んに行われるようになりましたが、
それを考えると全く異次元のような演奏が
私達を虜にするのはすごいことです。

Commented by Masa_ls at 2015-01-28 21:01
決まってますね~^^
女性がポケットに手を入れて電話している仕草
思わずうなってしまいました
モノクロが生きている写真と拝見しました
Commented by yoshipass at 2015-01-29 00:04
駅というシチュエーション、それそれの登場人物、適度な粒子の荒れ方
マッチングがいいですね(^_-)-☆
Commented by minton at 2015-01-29 09:49 x
この荒れた感じ。いいですねえ。^^
クラシックは奥が深いですね。
Commented by nontan91 at 2015-01-30 00:39
★noriさん>

おばんです~^^
この深いコントラスト、粒子の荒れ具合、なかなかいいのですが
以前使っていたオリンパスのアートフィルターの方がいい出来です。
それでもなかなかいい線行っているので使ってみました。
ファインダーでそのままモノクロに見えているのがいいですね。
なので電車の金属部分のテカリなど目で確かめながらシャッターを押すことが出来ました^^
まだプリントはしていませんが、どの程度銀塩に近づくことが出来たでしょうか?
ちょっと楽しみではあります^^
Commented by nontan91 at 2015-01-30 00:53
★yareyさん>

おばんです~^^
被写体との距離は、このカメラ望遠側が使えるので
微妙な距離をうまく保つことが出来ました。
標準レンズしかなければこれは写せませんでした。
その意味でも今回海のものとも山のものともわからない
このカメラを持っていって正解だったようですね^^
Commented by nontan91 at 2015-01-30 00:55
★NKさん>

情緒が見えてくるまでこの駅に二時間近くいましたよ^^
駅員さんには危ないヤツだと思われたでしょうね(笑)
Commented by nontan91 at 2015-01-31 00:43
★swingphotoさん>

こんばんは~^^
距離感はFZ1000のおかげです(笑)
とてもじゃないですが50mmで近づけるような被写体ではないです^^
ずっと遠くから見つめていました。

リヒテルの平均律は最初ダメ録音と思っていました。
何と情けないことでしょうね(笑)
古楽器や当時の奏法で再現されたものも違和感なく聞けるように
なってきましたね。最初はなんでこんなふうに弾かなきゃいかんのだ?って
不思議に思ってましたが^^
Commented by nontan91 at 2015-01-31 00:48
★Masaさん>

こんばんは~^^
ありがとうございます。
よくある光景かもしれませんが、フトした瞬間、いいところで
シャッターが切れました^^
これで色がついてたらあまり面白くないでしょうね。
最近のカメラはモノクロファインダーで見ることができますので
黒白写真を撮るのも少し楽です^^
Commented by nontan91 at 2015-01-31 00:50
★ yoshipassさん>

こんばんは~^^
駅は面白いですね。
でもN潟駅ではこんなことしてたら逮捕されそうです(笑)
観光客の振りしてるから出来ることですね^^
Commented by nontan91 at 2015-01-31 00:53
★mintonさん>

こんばんは~^^
これがホントの銀塩だったらもっといいのかもしれませんが
デジでここまで出来るんだから立派なものですね^^
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