与那国の祖納(そない)というところにティンダハナタと呼ばれる標高85mの崖がある。
サンゴ礁の隆起と侵食によって形成された屏風のように聳える山だ。
遊歩道があり、ここを登っていくと侵食で出来たと思われる崖に沿った岩屋のような道があり
広くなった場所で三線(サンシン)手に唄う若者たちがいた。
その場に居合わせたらしい女性に
「舞える?」と声をかけると
「うん、やりましょうか」
この神聖な場所で三線の音が響き、唄に突き動かされるようにしていきなり「舞い」が始まる。
見ていてぞくぞくするような光景であり、涙が出そうになった。
彼らの唄と踊りからは、古から受け継がれてきた文化と誇りがひしひしと伝わってくるではないか。
島へ来て4日、その中で最高と思える瞬間に立ち合わせていただいた。
元旦の朝の出来事である。
画像クリックで拡大できます SONY RX1RII Carl Zeiss 35mm F2
撮影と公開の許可をいただいてしばらく話をしていたが、自分が新潟から来たというと
「え~っ? 地元の人かと思ってた!?」
「何度か島へ来て写真を撮っていませんか?見たような記憶があるんですけど?」
いやいや、ワシ、そんな地元の顔してないんですけど?
そんな話をして別れ際に
「今朝の日の出を見ましたか?」
「写真とってきましたよ、よかったです^^」
「東崎(アガリザキ)ですか?」
「そうです!」
「じつは、もっと最高の場所があるんですよ・・・」
教えてもらったその場所を偵察に行ったら、えらいところだった。
確かに地元の人しか行けない・・・それはまた後ほど。

祖納の町から見たティンダハナタの威容。
崖に横に走る溝のようなものが見えるでしょうか?
一番広くなったところが今回の写真を撮った場所です。
石灰岩を通過して染み出してきた湧き水があるところで、島民にとってはとても神聖な場所だそうです。
与那国島はN潟から移動するのに丸半日かかってしまう上に、飛行機を二回乗り継ぐものだから
その間の読み物をKindleに何冊か入れておいた。最初はKindleの電子書籍リーダーで読んでいたが
iPhone6 Plusで十分読めることがわかったので、携帯するものを減らすために6 Plusで読んでいる。
その中に今回はJ.P. ホーガンの「星を継ぐもの」があった。以前に星野宣之のコミックで読んだがいまひとつわかりづらかったので
原著の訳本で読んでみたら、今までコミックではわかり難かったところがすべて解消してほっとした読後感がまだ覚めやらぬ中、
沖縄の連綿と続く過去からの文化の継承を目の当たりにしたものだから、今回のタイトルは考えもせずにフッと浮かんできた。